『うしおととら』名言集-うしお・とら・中村麻子・白面の者・かがり

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『うしおととら』の名言集をご紹介します。

あらすじ

うしおは主人公の少年。とらは妖怪。
この二人が共に「妖怪退治」をしていく少年漫画です。

人間の少年であるうしおになぜ「妖怪」が見えるのか、妖怪であるとらがなぜ仲間の妖怪を退治していくのか…

ただの偶然から始まったような物語は、実はそれぞれの深い関わりや長きにわたる宿命があったからこその話です。

多くの登場人物のエピソードが語られ、うしおととらが成長していく姿に感動しながらも、深く共感もできる漫画です。

「蒼月うしお(うしお)」の名言

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

中学2年生の少年。
家業は寺で、絵を描くことが趣味で体育が得意。
まっすぐで曲がったことを嫌う、正義感が強く嘘を嫌う、嘘の下手な男の子。

わるかったなあ つらかっただろうな。

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

母のことを知る旅に出たうしおととら。工事現場でかまいたちの3兄弟の末っ子の十郎と対決して言ったセリフです。

遠野でかまいたちの兄妹・雷信とかがりから次男・十郎の殺害を依頼され、その戦いの中、十郎が殺りくに走った原因が人間による迫害であったことを知り、うしおが十郎に掛けた言葉です。

このシーンまでは、妖怪は悪いもの、人間を守るために戦う主人公、という典型的な雰囲気がありました。「うしおととら」という作品で初めてそれが覆されたのが、この一言だと思います。
後に白面の者との戦いで重要なキーワードとなる「人間も妖怪も含めてみんな仲良くしなければならない」ということの第一歩であり、改めて見るとそれまで「猪突猛進」だったうしおが妖怪にも涙を流せる「まっすぐな人間」になった瞬間とも言えると感じました。

また、うしおが優しい心を持っているのを感じとれるし、胸を打ついい言葉だと思います。その後の結末に味を持たすこともできました。

ずっとずっと忘れねぇから

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

真由子を助けようと麻子が身代わりになった際に、彼女は火に飛び込み、うしおは助けだします。それでも、火傷をおった麻子にうしおが言ったセリフです。

うしおが麻子に対する気持ちがとても強く感じてとても感動的です。それだけではなくて、うしおは、とても純粋な気持ちを持っている人なんだなって思います。

男って一生のうち何人の女の子の涙をとめてやれるんだろう。

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

この名言は「うしおととら」の第33巻にて兄を想い、ただひたすらに涙を流す少女を見て主人公のうしおは流に悟るように問う名言です。

この名言は様々な男主人公ものの漫画や映画だけでは無く、普段の男性の一生の課題とも取れる名言だと思います。それでも流れる涙は流れますが止めれる涙はいくらでもあると思うので、この名言からは「男の覚悟」を感じた名シーンだと思います。

かあちゃん・・・ずりぃよ・・・
これじゃなんにも
言えねぇよ・・・

母・須磨子の元についにたどり着いたうしお。母がいない生活を送ってきたことを振り返り、文句の一つも言ってやろう、なんてことを思いながら母に近づいていきます。そこにあったのはたった一人で何年もの間白面の者を封印し続けてきた母の後ろ姿。それを見たうしおの心の声がこれでした。

うしおの「中学生」という設定はこの場面で絶妙な効果を現したと思います。ただ「おかあちゃん!」と駆け寄る年でもなく、母を「自分と同じ大人」としてみる年でもない。自分のそばにいてくれなかったことに素直に不満を感じ、その理由が分かれば素直に理解する。その結果が「なんにも言えねぇよ」になったのだと思います。

須磨子の後ろ姿も、うしおが一目見ただけで母の苦労を思い知らされたことを読者に納得させるだけの説得力があります。

でもーーーー
ジエメイさんは、そんなギリョウさんとオレを見つめ、
少し困ったカオをしたあと・・・
微笑ったんだ・・・

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

この物語の最重要アイテム、獣の槍誕生にまつわるとても悲しいエピソードです。

古代中国。父とともに苦労して造った剣が白面の者により砕かれ、父も母も亡くしたギリョウ。自暴自棄になっているところをうしおに励まされますが、残された方法は実行できません。

その方法とは、生贄を捧げることだったからです。たった一人残った家族である妹・ジエメイを犠牲にしてまで剣を造りたくはない、とうしおに話した直後、煮えたぎる炉に昇る人影。話を立ち聞きしたジエメイでした。
炉から降りるよう必死で語りかけるギリョウとうしおに対するジエメイの反応が、うしおのナレーションで語られます。
兄が知る、辛いけどやらなければならない方法を、笑顔で受け入れた妹…。
ジエメイの犠牲を伴って得られた鉄を打ちながら、ギリョウは「なぜ微笑ったのだ、なぜ私を許したのだ」と悔やみます。せめて恨んでくれればよかった、と思ったと思います。
炉に昇ったもののジエメイの体をつかめなかったうしおは、「つかめなかった」ことへの深い後悔の念を募らせ、後に体を張ってこれを克服していく様子に感動しました。

もう誰も・・
こぼさねえ!

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

白面の者を倒せる唯一の武器・獣の槍が未来に破壊されることを知り、広がる動揺を「新しい獣の槍を造る」という方法で解消しようとした妖怪たち。かつて炉に身を投げたジエメイの末裔・真由子を炉に投じるためにさらい、うしおととらはその救助に向かいます。

その途中、うしおはこれまで掴めなかったものを振り返りました。十郎の手。徳野さんの命。ジエメイのお母さんの服の袖。そしてジエメイ。あの時、煮えたぎる炉を恐れずにもっと踏み込んでいたら、とつぶやくうしおにとらは「そんなことしたらお前も焼け死ぬだろうが」と返しますが、うしおは決意を固めます。

炉のある部屋に飛び込んだ時、うしおが見たのは、真由子に代わることを買って出た麻子が炉に飛び込む姿でした。事前の決意のためか最愛の麻子を守るためか、今度こそうしおは炉に飛び込む者を受け止めます。自らも炉に飛び込んで。あまりにも壮絶な有言実行に感動しました。

助かってくれなぁ、麻子ォ・・・
ごめん・・・
おまえがオレを忘れたっていい・・・
オレがおまえを忘れてねえから・・・
ずっとずっと忘れねえから・・・

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

妖怪たちによる獣の槍創造を阻止し、炉に飛び込んで全身大火傷の麻子を病院へ運ぶべく妖怪たちのいる場から脱出したうしおととら。しかし背後では妖怪たちが紅煉の襲撃を受け、戦いが始まりました。自らも炉に飛び込んだことで腰から下が炭になっているにも関わらず妖怪たちに加勢しようとするうしおに対し、ジエメイが「麻子さんが心配ではないのですか?」と尋ねますが、うしおはポロポロと涙をこぼしながら麻子に謝り、戦いに赴きます。

白面の者の企みにより親しい人や妖怪たちからうしおの記憶が消され、麻子からも突き放され、それでも体を張って麻子を助けたうしお。その麻子に付き添うことより、妖怪たちに加勢することをうしおは優先します。でも本当は麻子が心配で仕方ないことが、この言葉からあふれている場面に、一緒に涙が溢れました。

そうだ・・・
今までみたいに・・・
そうだ・・・
行こうぜ、とら。

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

白面の者との最終決戦。白面の者による探知を防ぐために獣の槍の刃をとらの体に突き刺すことで隠し、最後の突撃を行ううしおの心の声です。

獣の槍を突き刺したことでとらが消滅することは確定しています。最後の力を使い切ることでうしおが妖怪になることも確定しています。そんな中でのこの言葉。お互いどんなことになっても想いはずっと変わらない、という気持ちが込められていて、とても好きです。

あたりまえだろ

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

嘘をつくのが大嫌いな主人公がはじめてついた嘘。さとりという妖怪が、事故で目をケガした人間の子どもの父親のふりをしていた。子どもの目を治すために、他人を襲って目玉を集めていたさとりはうしおと戦って、目玉を集めても子どもの目は治らないことを知って、敗北して消えていく。さとりの方法は正しくなかったが、子どもを大切に思っている気持ちは本物だった。さとりは、消えていく時にうしおに聞く。もし子どもの目が治ったら、自分を父さんと呼んでくれるだろうか、と。異形の妖怪、目が治った子どもがさとりを見て、父親とは思うはずもない。けれど、うしおは言う。「あたりまえだろ」

誰かを救うために必要な嘘、をはじめて嘘が嫌いな主人公がつくのが印象的。嘘を言うのを嫌い、そのことを誇りにしていたはずなのに、消えていくさとりに「あいつは目が治ったら俺を父さんと呼んでくれるかな?」と言われて、自ら「あたりまえだろ」と嘘をつく。さとりは嬉しそうに笑って消えていく。

後で、そのことを信頼する女の子に「嘘をついた」とだけ打ち明けて、号泣するシーンに、子どもが大人になっていく時、嘘を言わないでいられる幸せ、嘘をつく自分になっていかなければならない悲しみがよく表されていて、哀しい気持ちになりました。

う¨え¨え¨え¨・・・
う¨え¨え¨え¨ん・・・

妖怪さとりを心ならず倒した後、待ち合わせで会った麻子に対して悲しみを爆発させたシーン。

心を読む能力を持った妖怪さとりの、ミノルに対する優しさを知りつつ消滅させるしかなかったうしお。消滅していくさとりの最後の問いかけに対し、嘘と分かってしまうと知っていながら悲しい嘘をつかなければならなかったうしお。何事にもまっすぐなうしおは、泣くことにもまっすぐでした。本当なら一番泣き顔を見られたくないはずの女の子に寄りかかって、隠すこともなく泣き続けたうしおの気持ちを思うと自分も涙が出てきました。

「どこのたくってた!?この、うすらバカちび。」
「そっちこそなんでえ…おたんこなす…」
「なにをゥ、白面ぶっちめに行く気ねーのか、このイカレポンチ!」
「な…なん…でえ…、アホンダラ…」
「タコが、やる気ねーならわしが先にィ~~~!!」
「 行 っ く ぜ え 、 と ら ー っ 。 」
「 知 る か よ 、 う し お ー っ 。 」

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

白面の者の企みにより関係が決裂したうしおととら。それぞれ白面の者に敗れますが、うしおはとらの過去を知って復活、とらは真由子の励ましによって復活します。先に白面の者との再戦を開始したうしおの元にやってきたとらを見て、うしおは一瞬嬉しそうな顔をしますが、硬い表情のとらに不安を覚えます。やはり溝は深いかと思わせてからのこのやり取りでした。

うしおだけが復活しても、とらだけが復活しても、白面の者は倒せなかったでしょう。これまでもケンカしながら戦いを乗り越えてきたものコンビ。仲直りもやっぱりケンカでした。「うしおととら」の復活に、嬉しくなりました!

行っくぞー、とらーっ!
うるっせーんだよ、うしおーっ!!

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

最終話、長かった物語はこのやり取りで締めくくられました。

白面の者との戦いでとらは消滅し、それを悲しみながらもうしおは新たな歩みを始め、物語の終わりを雲外鏡のおんじが告げます。
妖怪たちがいなくなったことを悲しんでいるであろう読者に向けて、おんじは教えてくれます。「死んでも土からさえ立ちかえってくるもの、それが妖怪」と。「だから、ひょっとしていつの日か・・・」
そして「行っくぞー!」のやり取りで「完」となります。
だからこのやり取りは、もしかしたらいつかこういう日が来るかも、という希望を残して物語が終わったとも取れますし、何年か後にまたこのコンビが復活した、という解釈も可能です。いずれにせよ、この1コマのおかげで、とらが消滅した寂しさがいくらか和らいだのは間違いありませんよね。この終わりが大好きです。

「とら」の名言

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

500年間、うしおの自宅の寺(芙玄院)の蔵の地下で、獣の槍に閉じ込められていた妖怪。

虎に似ていて、妖怪の中でも勇猛な戦いをすることから恐れられている存在。年齢は2000歳で、妖怪に対しては威厳のある態度で接するが、うしおと一緒のときは、無邪気にはしゃぐなどの一面もある。

しけたつらしてんなぁ、うしお。

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

白面の者の企みにより人々がみんなうしおの記憶を失い、親しい人たちから突き放されたうしお。助けを求めて向かった光覇明宗総本山でも警護の自衛隊により拘束されます。そこに入ってきたとら。とらは・・・どうなんだ?俺のことを覚えているのか?
それに対するとらの答えです。

結果的に言えば、白面の者の目的は「人々からうしお・とらという希望の芽を摘むこと」だったためとらからうしおの記憶を奪うつもりは初めからなかった、ということなのですが、このシーンに至るまでのうしおがあまりにも哀れで、とらのこの一言にはうしおと一緒にガッツポーズしました。

おまえは人間だろが!

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

妖怪との戦いで人間としての魂を使い切り獣になってしまったうしお。うしおを人間に戻すために集まった5人の娘をフォローしていたとらが、うしおを捕まえて放った言葉です。

とらははじめ自分以外の者に対する慈悲などない妖怪でした。うしおと行動を共にしているのもうしおを喰うためでしたが、うしおと獣の槍に脅されて他の人間を助け、妖怪も助け、自分の意思で助けるようになり、そしてこのエピソードではうしおが人間でなくなってしまったことに怒りを顕わにします。とらにとってうしおが「食い物」から「パートナー」へと変わりつつあることを示す一言です。

どうにも・・・ちっ、どうにもよ・・・
背中が・・・スースーしやがる・・・

秋葉流を殺してしまったことでうしおから見限られたとら。自暴自棄になったうしおは一人で白面の者を攻撃し、獣の槍は粉々に砕けました。それでも単身白面の者に挑むとらですが、攻撃が通じません。その原因を考えた結果、とらの心に浮かんだ言葉です。

この言葉の後、とらは自分の考えを否定しようとしますが、もう分かってしまっています。自分が今まで強かったのは、背中にうしおがいたからだということに。そしてこの直後、白面の者にかみつかれ、胸に大穴を空けて敗北してしまい、2人の絆の深さを実感しました。

もう・・・喰ったさ・・・
はらぁ・・・いっぱいだ・・・

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

最終章、宿敵白面との戦いで自らの両目を潰した白面にうしおの獣の槍の存在がばれぬよう白面を産んで白面と同じ 匂いを持つ、とらに赤い布無しでフルパワーの獣の槍を刺し、白面にとどめをさします。

長い旅、敗北、仲間割れ、復活という紆余曲折を経て、ついに白面の者を倒したうしおととら。戦いの後、自らの身に獣の槍を突き刺したことで消えていくとらに対して「まだ死ぬんじゃない、お前は俺を喰うんだろ」と言ううしおに、とらが返した言葉です。

うしおととらは常にうしおが退治してやる、とらが喰ってやると言い合って来ました。
物語の始まりの頃は「人間はえさ、自分以外の妖怪は敵」と考え隙あらばうしおを喰おうと考えていたとらが、うしおと関わることで変わっていく、「うしおととら」はそういう物語だったとも言えます。

そのとらが消滅に際して発した、うしおとの関係の集大成とも言える一言。出会ったのがうしおだったから、あんなに幸せな笑顔で生涯を終えることができたのだと思います。

うしおとの生活で妖怪とらはうしおから人間としての感情を知り、または思い出したと思うと涙が止まりませんでした。

「中村麻子」の名言

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

うしおの幼馴染の正義感の強い女の子。
中華料理店の一人娘で、運動神経がよく空手を父親から習っている。

子供や弱者に優しく、世話好きだが介入のしすぎで「お節介」になってしまうこともある。

わかったよ、うしお・・ おかえり

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

幼なじみの中村麻子に今までのことをなかなか話せずじまいで、お互いが落ち着いたタイミングで、うしおは今までのことを麻子に全部話そうとする。
それを遮って、麻子が言った名言。

いろいろあったことを伝えたいうしおに対して幼なじみの麻子は、何も言わなくても分かっているよという幼なじみでうしおのことをよくわかっていて信じていると言わんばかりの言葉にほろっときました。

ド・ウ・カ  ブ・ジ・デ・・・

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

母がいる石柱への攻撃を止めるために潜水艦に乗り込んだうしおに対し、麻子が窓越しにうしおに伝えた言葉です。

白面の者の陰謀により人々がうしおととらの記憶を失ってしまった中、麻子もうしおのことを忘れました。「見知らぬ馴れ馴れしい男の子」であるうしおに手を挙げたこともありましたが、やはりこの二人の繋がりは切れませんでした。

記憶が戻ることがなくても麻子の中で次第にうしおの存在が大きくなり、「獣の槍を使い続ければ獣になってしまう」という事実を知って、潜水艦に乗り込もうとするうしおを一時は引き止めようとします。それでも行かなければならないうしおを見送り、潜水艦が出発する直前、気持ちをうしおにぶつけます。

獣になってもいい、どうか無事で帰ってきて、と。その声は潜水艦の中には届きませんが、うしおには伝わりました。「ドウカ、ブジデ」と伝わった時に、なんとも言えない感動がこみ上げてきました。

「蒼月紫暮」の名言

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

うしおの父親。47歳。
普通の僧侶をよそおっていた、本当は光覇明宗最強クラスの法力僧。
家族思いの優しい男だが、若い頃は荒れた時期もあり、大酒飲みでもあったが、うしおが生まれてからは酒を絶っている。

光覇明宗 蒼月紫暮。参る。

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

白面の者との最終決戦。白面の者を捕える結界の中心となっている蒼月須磨子の元にも、当然敵が襲撃します。須磨子に向けた攻撃が発せられ、煙が晴れた時、そこにいたのは須磨子を守った夫・蒼月紫暮でした。

物語の進行上、うしおと須磨子の母子再会の方が大きく取り上げられましたが、紫暮と須磨子の夫婦再会も同じく14年ぶりです。絶体絶命のピンチを救うという壮絶なタイミングで再会を果たした紫暮。短い言葉に妻を守る意気込みが込められています。その後の須磨子に笑いかけながら「早く終わらせて家に帰ろうや」という言葉も紫暮らしくて良かったです!

「かがり」の名言

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

人間を激しく憎み、うしお達にも当初は冷たい態度をとっているが、うしおの戦いをきっかけに人間を恨むことを辞める。本来は優しくひたむき。天然ボケも入っている可愛い一面もある。

思いやる気持ち・・・
私には分かる・・・
だから娘よ・・・あなたも分かってあげなさい
でないとあの娘は悲しすぎる・・・

獣の槍を造るため真由子を生贄にしようとさらった妖怪たち。しかしその直前で、同行した麻子が、自分が生贄になることを申し出ます。

泣きながら麻子に走り寄ろうとする真由子を止めたのは、鎌鼬のかがり。うしおの記憶を失った脳裏に、かつて兄・十郎のために人間が涙を流してくれた光景のみがよみがえります。犠牲を払ってでも成し遂げなければならないことがある一方、目の前でそのことを悲しむ者がいることを目の当たりにし、泣きながら真由子に投げかかる言葉です。

人々や妖怪は白面の者の企みによりうしおととらの記憶を奪われていますが、うしおととらの言動を断片的に思い出すシーンは幾度となく見られます。かがりも人間(うしお)が十郎のために涙を流してくれたことを覚えており、だから今、真由子の麻子に対する「思いやり」が理解でき、真由子を止めつつ自身も真由子に対する思いやりを見せることができたのだと思います。

「鷹取小夜」の名言

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

病弱で母親以外の家族からは冷遇されて育つ。
暗い性格で、直ぐに謝る癖があるが、うしおと出会い強く生きることを決意する。
あの世と交信することができ、妖怪を見ることもできる能力がある。

バカね。

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

家にザシキワラシを繋ぎとめるための道具として育てられ、その境遇に抗うこともなく「ごめんなさい」と言い続けてきた小夜。うしおととらの助けを受け、自らの考えでザシキワラシを解放することを決めます。

「私も強くなる」と言う小夜に対し、旅の途中のうしおから最後のチェック。初対面で湯治中の小夜の裸を見てしまったことを取り上げ、「もっと見たかったのに、逃げちまうんだもんなぁ、どうしてくれるんだよ!」と問いかけます。それに対し反射的に「ごめ・・・」と言いかけた後、小夜が発した言葉です。

うしおに関わって問題を解決した登場人物は、心から「もう大丈夫」と思って見られます。うしおやとらが「妖怪を倒す」という形での手助けはしますが、必ずその人物本人の成長を以て問題を解決するからです。旅を続けるうしおととらが立ち去っても、小夜はもう自分の考えで決め、行動することができる一言に感動しました。

「蒼月須磨子」の名言

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

主人公・うしおの母親。三代目の「お役目様」。

あたまを・・・ なでていい・・・?

うしおが、死んだと聞かされてきた母・須磨子に巡り会えたシーン。やっと会えた息子に、須磨子がしたお願いです。

須磨子は白面の者を封印する役目の途中、2年だけの猶予を与えられて外の世界に赴き、うしおを出産してすぐに役目に戻っています。

やっと会えた息子に望んだことはあまりにもささやかなお願い。そんなささやかなことすらできず、そんなささやかなことを願いながら、須磨子が今まで白面の者を封印し続けていたことがうかがえ、母親の愛情も感じることができる、深い一言だと思います。

「秋葉流」の名言

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

獣の槍伝承者候補の一人。
うしおのよき兄貴分だが、次第にうしおから向けられる自分への思いが負担となってしまう。

風が…止んだじゃねぇか…

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

ずっとうしおの兄貴分のような存在だったのに、白面の使いの誘いに乗りとらとの一騎打ちを駆り出す流。白面の者の側に寝返った秋葉流。

母のいる石柱の破壊を止めるために前線基地・仙獄に来た、うしおととらの前に立ちはだかります。全力を出し切ってとらに敗れた流が、何をやってもうまくいってしまい周囲からの逆恨み、妬み等を受ける様になり自然と全力が出せなくなって頭の中に「風が吹く」様になってしまった流がとら相手に全力を尽くし、果てる直前に最期、つぶやいた言葉です。
流は子供の頃から何でもできる「天才」でした。しかし、それに対する世間からの評価は称賛ばかりではなく、妬みによる風当たりは家族にも影響をもたらしました。そこで流が出した結論は、「本気を出さない」ことでした。目立たないよう、そこそこの成績を出すことに心を砕いて生きてきたのです。そのうち、流は頭の中に「虚しい風の音」を感じるようになります。

白面の者に寝返った本当の目的は、あまりにもまっすぐなうしおに自分の本性をさらけ出すことと、とらと本気で戦うことでした。初対面でとらに負けた時から仲間としての付き合いが続いていましたが、本心では本気で戦うことを望んでいたのです。寝返ったことでその戦いは実現し、全力で戦って敗れた時、流の頭の中の風の音は止まりました。

この戦いは後にうしおが自我を失う一因となりますが、流個人としては他の登場人物でも多く描かれている「満足する死」を迎えたと言えると思います

とにかくこの流の行動についてはリアルタイムから20年以上経った今だからこそようやく理解できるものになってきました。環境が違ったら、立場が違ったら違う結果になって仲間として生き延びれたかもしれませんが、血みどろの中、満足気にこの台詞を放った流に対して、この結果は必然だったんだなと思いました。その後、その場を去るとらが降らしたガラスのシャワーが涙を流せないとらが流した涙という意味合いだったという裏話も大好きです。

「白面の者」の名言

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

うしおととらのラスボス的存在の大妖怪。

心地よし!

謀略を尽くして結界の破壊に成功し外の世界に飛び出した白面の者。対するうしおは母・須磨子との再会によって緊張の糸が切れ、勝てるはずのない相手との戦いを拒み、やっと会えた須磨子に頬を叩かれます。

人も妖怪も自分を忘れ、孤立した寂しさの中再会した母親に頬を叩かれ、憎しみに心を染めながら白面の者に襲い掛かるうしお。駆け付けたとらが冷静になるよう促しますが、白面の者によって秋葉流の死をとら自身の口から明かすよう誘導され、うしおはとらと決別。

さらに白面の者は、麻子のいる前線基地・仙獄と、父・紫暮を含む法力僧のいる島の破壊を予告します。遠吠えのような「やめろ」といううしおの叫びを聞きながら口に火炎を溜め、これまで尽くした謀略が完成を見るこの瞬間、白面が発した言葉です。

戦闘力の高いラスボスは数多くいますが、白面の者ほど狡猾さにまで秀でているラスボスはあまりいないのではないでしょうか。獣の槍の所有者が絶望と憎しみにまみれて己を攻撃してくるよう仕向けるため、その者の全てを奪うべく謀略を繰り広げてきました。実際何もかもを失ったうしおはこの後憎しみを込めて白面の者に獣の槍を突き刺し、他者の負の感情を糧とする白面の者にこの攻撃は通じず、獣の槍は粉々に砕け散る場面に言葉が出なくなりました。

「さとり」の名言

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

山奥に住んでいた妖怪。
飛行機事故で目の見えなくなった生存者の人間の男の子(柏木実)の父親替わりをしようとしてた。

おめえ、やさしいなぁ、ミノルみたいだよ

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

心を読む妖怪のさとりが目を怪我した人間の子供ミノルのために人を襲って目玉を奪っていく事件を起こしていく中でさとりを止めるために考えて悩みながら戦う主人公、うしおに倒されたさとりの最後の言葉です。

さとりは最期にうしおの心を読んで自分が間違えていたことに気づくとともにミノルやうしおはどこまで真実を知ってその思いを隠していたのかという事とそれを読みながらでもその行動を起こしたさとりとのやり取りが印象に残っていてこの作品の中でも私が一番好きな話です。

「ハイフォンとレイシャ」の名言

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

鏢(ひょう)の妻・ハイフォンと子供・レイシャ。

おかえりなさい あなた。
おかえり お父ちゃん。

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

ヒョウが妻と娘の仇である紅煉を倒し、薄れていく意識の中、かつての自宅の扉を開けた時、中から妻と娘が掛けてきた言葉です。

仇の妖怪を探している間、ヒョウの記憶の中では自宅の扉の奥はいつも血みどろの部屋だったのでしょう。紅煉を倒し、ようやく「自分の家に帰る」ことができたのです。血みどろの部屋が「おかえり」という言葉に変わったヒョウの安堵が感じられると同時に、そんな当たり前の言葉にたどり着くまでにどれほど長い時間がかかったかが1コマで思い知らされます。

「ヘレナ・マーコフ」の名言

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

大脳生理学、臨床心理学、精神分析学の専門家。

今日は・・・何が食べたい?
・・・ポール・・・

科学の力で白面の者を倒すために活動する組織・HAMMR(ハマー)機関との戦い。データ採取のため増殖させた白面の者の体組織が暴れ出し、それを焼き尽くすために崩落する施設に一人残ることを決めたヘレナ・マーコフ博士が、同僚の博士たちへの最終報告を終えたあと最期につぶやいた言葉です。

しかしヘレナ博士がどんな犠牲を払ってでも成果を求めることの根底には、医者でありながら自分の息子1人を救えなかったことへの後悔がありました。

大怪我を負いながら科学技術を以てうしおととらをサポートし、連れて逃げようとする麻子の申し出を理論的な判断を以て断り、あくまでも科学者としてふるまってきたヘレナでしたが、最期は母の顔で生涯を終え、最後の最後で彼女の本当の姿を見たような気がします。

「威吹」の名言

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

東の長を守る鳥天狗。
生真面目な性格で、上司には逆らわないような性格で、その分融通がきかないタイプ。

最初は命令だった・・・だがな・・・自分も分からぬが・・・
今は私がやりたいからやっている!

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

西の長が西の妖怪を率いて白面の者を倒す企みを始め、それを阻止しようと西の妖怪の居城に侵入したうしお・とらと東の妖怪たち。東の妖怪の一体・威吹は東の長からうしおを守るよう命令を受けており、人間嫌いの威吹は不満を持ちながらもうしおを守っていましたが、うしおと関わるうちにただ命令に従うのとは違う感情が芽生えていました。西の妖怪に「そんなにその人間を守ることが大事か」と聞かれ、威吹が返した言葉です。

威吹は東の長の忠実な側近で、長の命令は絶対、というキャラクターです。うしおのことはただ命令に従って守っていただけですが、西の妖怪の策略によりあわや裏切り者にされかけたところをうしおの「(威吹が裏切り者でない)証拠なんて必要ない、俺が信じてるんだよ」という一言で救われます。それ以降はただ任務としてではなく、「やりたいからやる」ようになりました。僕自身も、自分の仕事に対してこうありたいものです。

「引狭霧雄(キリオ)」の名言

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

引狭に連れられてきた獣の槍伝承者候補。
優れた法力をもっている法力人間で、ママと慕っている斗和子によって作られた。

・・・おわってなんかいない・・・

自分を育てた母が白面の者の手先であることが判明し、自らの手で消滅させたキリオ。拠り所を無くし放浪していた先で、人をさらって喰う狒々の一団と戦いますが、以前のような強さはなく敗れます。狒々たちが恐れるという「しっぺい太郎」という犬を探して長野県を訪れますが、見つけたのは飼い主を亡くし野良犬となった老犬、タローだけ。

覇気もなくただ生きているタローと自分を重ね、キリオはついてくるタローを置き去りにすることなく狒々との再戦の場に連れて行きます。やはり狒々に敵わず、キリオが負けを覚悟したその時、飼い主に巻いてもらった首のリボンをちぎられたタローが、猛然と狒々に襲い掛かりました。大切なものを傷つけられ敵うはずのない相手に立ち向かうタローの姿を見た、キリオの言葉です。

キリオの強さは、強い法力と精密機械のような判断力でした。合理的な理由でのみ戦い、不利な戦況では戦いを避け、傷を負うことなく妖怪を倒してきました。それは裏を返せば「勝てない相手には絶対に勝てない」ということであり、狒々に対してもあっさり負けを認めることに繋がります。

自分と重ねたタローが戦う姿を見て気付いたのは、「自分で終わりだと思わない限り、自分の人生は終わらない」ということでした。勝てない相手にも立ち向かい、傷だらけになっても負けない。それはかつて見下していたうしおの強さでした。この戦いで、キリオはさらに強くなって復活し、それに感動しました。

「凶羅」の名言

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

光覇明宗の中でもかなり強い人物。
妖怪をほろぼすことに興味があり、人間を守るために妖怪と戦っているのではない。
そのため、人間が傷つくことも厭わないので破門となり破門僧となる。

うしおよォ、とらよォ。
面白かったよなァ・・・。

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

白面の者との最終決戦。人知れず結界の弱いところを守っていた凶羅。倒した黒炎の山の上に座り込み、力尽きます。守るべき要所を見落としていた法力僧たちに悪態をついたあと、育ての親である日崎御角に説かれた力の使い方は最後までできなかった、と振り返ります。

でも、その使い方を体現している者たちとの戦いは面白かった。命を落とす間際、凶羅が最期につぶやいた一言です。

凶羅は人間の悪役代表のような存在でした。妖怪を倒すことを喜びとし、自分のためだけに力を使い、目的のためには一般人も容赦なく叩きのめす。その凶羅も、うしおやとらと戦うことで「他者のために力を使う」ことを理解していました。

他の法力僧と和合することはなかった凶羅ですが、結界の要所を誰に協力を求めることもなく一人で守り切ったその戦いは、他者のための戦いだったに違いないと思います。

「伏戸船長」の名言

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

勇雪丸の船長。

寒戸二等通信士・・・最後の命令をする・・・オレたちの分まで生きてくれよ。

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

うしおたちが北海道に向かいフェリーで移動中、かつての沈没事故で亡くなった人たちの魂が集まってできた船・「勇雪丸」が接舷します。

魂を捕えていた妖怪をうしおととらが退治した後、同行していた沈没事故の生存者・寒戸老人は、勇雪丸の船長・伏戸の霊に「連れて行ってほしい」と懇願。それに対する伏戸船長の答えです。

乗員も乗客もみんな亡くなったなかで生き残った寒戸老人は、その後の人生を罪の意識に苛まされながら生きてきたのでしょう。だから捕らえられていた伏戸船長たちの魂が成仏するにあたり一緒にあの世に行くことを申し出たわけですが、船長の「命令」は寒戸老人が感じてきた罪の意識をすべて吹き払うものでした。船長の周りにはかつての仲間たちも現れ、笑顔が見られた時に、ホッとしました。

「片山」の名言

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

北海道へうしお達が旅をする際に出会う一般人の男。
片山と香上の二人のコンビで登場し、大学をサボってナンパ旅行をする。

香上・・・俺たちって駄目だよなぁ・・・
でも、あの子の手よぉ・・・
こんなにちっちゃかったんだもんよぉ・・・

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

「なまはげ」にしおりがさらわれ、後を追ってうしおが飛び出し、残った香上と片山。「なまはげ」の襲撃時に吹っ飛ばされて何もできなかったことを悔やみ、片山がつぶやいた言葉です。

ナンパのために大学を休んで旅をしていた香上と片山。「なまはげ」の初めの襲撃のあと、巻き込まれるのは面倒だということで、現場となった宿から逃げようとしていました。

でもその時、その襲撃で気を失ったしおりが無意識に片山の浴衣を掴みます。2回目の襲撃でついにしおりがさらわれた時、片山は浴衣を掴んだしおりの手を布団に戻した時のことを思い出します。

あんなに小さい子がさらわれたんだ。あんなに小さな子が化け物に喰われそうになっているんだ。何もできずに目の前でさらわれて、このままでいいのか。化け物退治の槍を持ってるうしおに任せておけば、それでいいのか。

妖怪なんかに縁がなく、いい加減な生活を送ってきた人間が、妖怪から女の子を助ける決意を固めた言葉です。それに同調して片山と一緒に化け物の元へ向かう香上もいい男だと思います。

「野村信一」の名言

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

北海道から東京に向かう列車の中で出会う中学生。
無理して笑うのを嫌い、うしおのような人が苦手なタイプ。

いいなぁ・・・いい・・・なぁ・・・。

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

乗っていた列車が突如妖怪に襲われ、恐怖と理不尽さに座り込む中学生の野村信一が、そんな中でもできることを精いっぱいやって戦う周りの人たちを見て、つぶやいた言葉です。

野村は、いつも人の顔色をうかがって生きてきました。公園を掃除し、近所の人に親が褒められるのを喜びました。でも、自分が悲しい時、親は一緒に悲しんでくれませんでした。親が「笑え」というときは笑う、そうやっていればみんな喜んでくれると思いました。

でも、同級生からは「とらえどころがない」「気持ち悪い」と言われ、いじめを受けるようになりました。どうしていいか分からなくなって夏休みの帰省から帰ることを拒否し、先生の迎えで帰る途中、妖怪の襲撃です。なんで自分ばかりこんな目に合わなきゃいけないんだ。そんな気持ちで座り込んでいました。
紫暮の言葉を思い出した時、気付きます。怖いことや理不尽なことに対して、自分は「戦う」ということをしてこなかったことに。そして、できることを精いっぱいやって戦っている先生たちをうらやましく思い、涙を流すのです。この後野村は戦いの場に飛びこみ、勝利を引き寄せた場面に感動しました。

「名もなき法力僧」の名言

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

すみません・・・すみません・・・
でも、われわれも白面の者と・・・
戦いたかった・・・

引狭キリオが「獣の槍1本に拘るのはよくない」という主張のもと獣の槍破壊計画を唱え、破壊が実行された直後、その発案がキリオではなくキリオの養母・斗和子によるものであったことが明かされて、賛同した法力僧たちの間に動揺が走ります。

さらに斗和子が白面の者の使いであることが判明し、キリオが驚愕する中、法力僧が次々と斗和子に惨殺されていきます。攻撃を受けた法力僧の一人がうしおに歩み寄り、うしおに詫びながら絶命します。

計画に賛同した法力僧たちはみんな「獣の槍と同等の性能を持ち、誰でも使うことができ、量産できる法具」という謳い文句の「エレザールの鎌」を持っていました。

しかしそれも見掛け倒しで、斗和子により次々に砕かれます。辛い修行を終えた挙句「選ばれし者」になれなかった者が発したからこそ、この言葉は心に響きます。

「徳野信二の母」の名言

<画像(C)藤田和日郎/小学館>

立ってるか まっすぐに・・・
お天道さんに カオ向けて
おまえは そこに
・・・立ってるか・・・

うしおととらが北海道旭川に向かいバスで移動する途中、バスが霧の妖怪・シュムナの襲撃を受けます。巻き込まれた元ヤクザ・徳野信二とともにシュムナを倒しますが、徳野は命を落とします。

徳野が心に持ち続けていた、そして体現できずにいた、母からの言葉。それが最期に体現できたことをうしおに認められ、徳野は笑顔で絶命し、母からのこの言葉がかぶさってエピソードが終わります。

「うしおととら」という作品には「満足する死とは何か」を突き詰めるエピソードがありますが、その答えは作品全体にちりばめられています。このエピソードもその一つ。母の言葉を受け入れられずに生きてきた男が、最期にまっすぐ立つことができ、涙が溢れ出ました。

「カオリの母親」の名言

カオリ・・・

ヒョウと紅煉の最終決戦。その戦いが繰り広げられた民家には、避難を拒否して残っている母と娘がいました。自分の子供に無関心だった母親が、ヒョウの言葉に諭され子供を抱きしめて発した言葉です。

母親は女優で、夫を白面の者の攻撃により亡くし、一般人が集まる避難所になど行く気にもなれず自暴自棄になっていました。結婚は成り行きでしたもので、子供(カオリ)に愛情はありません。

寄ってくるカオリを「うっとおしい」と突き飛ばし、ヒョウに年を聞かれて「七歳くらい」と答える始末です。でも、紅煉と戦いながらヒョウは気付いていました。どんなに戦いが激しくなってもカオリが決して母親から離れなかったことに。

カオリは必死で母親を守ろうとしていたのです。そのことをヒョウから教えられ、母親はカオリを抱きしめ、カオリの名を呼びます。初めて親子になれたこの二人は、その後戦いを終えて命を落とすヒョウを看取ることになります。そのときの二人の気持ちを想像すると、なんとも言えない気持ちでいっぱいになりました。

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